いつもは雨が降り出すと良くなる偏頭痛が、春雨を降らす雲の厚さに比例して重たくなった。 頭痛と喉の奥がつんと痛むのを我慢して眠らなくても良いと気付いて、薄暗い部屋で音楽を聴いた。 イヤホンからも雨音が聞こえてきて、窓に当たるのと重なった。 わた…

わたしの大事

引っ越し準備でよく通る道に、白い花が溢れるくらいに咲いてる木があるけど、花の名前は知らない。 そういえばお父さんの干支も知らなかった。 知らないことばっかりで情けなくなったので、わたしだから知ってることを一つずつ思い浮かべていたら、あたたか…

からだ

治りかけの風邪をぶり返し、底なしの眠気を抱えながらなんとか布団を干した。最近、あんまり身体を大事にしていなかったなぁ としくしく痛み出したお腹をあたためながら反省した。本物なのは中身だけで、身体はただの入れ物なんだ と怪我をしても風邪気味で…

泣くこと

冬の日の昼間にお風呂でのぼせて、暖房の効いた部屋で扇風機の風を浴びた。家を出る頃にはもう日が沈みかかっていた。眠くて仕方がないので、喫茶店でメープルシロップが入ったラテを飲んでる。今さら眠気を覚ましてもなぁ とか、いつになればブラックコーヒ…

眠い休日

土曜日のお昼時に一人で定食屋に入るのは、なかなか勇気がいったけど、ドアを開いてすぐに「お一人様で〜す!」と元気良く案内されたので、もうどうでも良くなった。運ばれてきた白ご飯が少し少ないなぁと思うくらいお腹がすいていたことに驚きながら、あっ…

トンネル

いつぶりかわからないくらい思い切りお酒を飲んだ次の日、一日のほとんどを布団で過ごした。酔いがまわりにくい体質だからと、あえて空きっ腹に飲んだのが良くなかった。真っ暗な部屋でハロゲンヒーターの灯だけがついていて、酔っ払うと泣き上戸になるわた…

ゆき

息詰まって悲しいけどどこへも行けないときは、頭に好きな歌を詰め込んで、気持ちがおさまるのを待つしかない。タバコの匂いがついた服たちを、勢いをつけて脱ぎ終わったらほっとした。甘くも酸っぱくもない、赤いワインをごくごく飲んだ。

温泉

最近になって、やっとサウナの気持ち良さがわかってきた。わたしにとって、サウナに入れるってことは、ビールを美味しく飲めるのと同じくらい憧れていたことだった。こんな真冬に水風呂に入るなんて、どうかしてるよなぁ と思いながら、吹く風が心地良くて、…

頭のなか

半日眠ってもまだ眠い。血圧が低いと眠くなるんだったかなぁ、などと適当なことを考えてる。起きたら分厚い曇り空だし、パンを食べてお腹も満足したし、痛みが引くまでうとうとしようかなぁ。新しいお仕事が決まって、引っ越しが近付いてきた。いまはハワイ…

曇り

寝転んだまま部屋の窓からみえる景色が、電信柱以外一面真っ白だった。雪が降る日の雲みたいなのに、実際は結構暖かかった。新しくダウンロードしたアルバムをどきどきしながら再生して、起きたらどのパンを食べようかなぁと昨日訪れたパン屋さんの、焼き立…

やりたいこと

好きな洋服屋さんで流れていた音楽がとても良かったので、魔女みたいな店員さんに尋ねたら、ニコニコしながらわざわざCDを持ってきてくれた。わたしは音楽が好きだけど全然詳しくないし、自分で曲を作れるわけでもないけど、何かのきっかけで好きなアーティ…

一年

いつもいつの間にかきょうが終わってる。楽しみだったことも、憂鬱だったことも、いつの間にか終わってる。今年はやりたいことを一番大切に、生活することに決めた。やってみて、難しければまた考えて、次をみつければ良いだけなんだもんな。無理はしないで…

地球があんまり荒れる日には

風邪がうつってしまわないように、少し距離をあけている。代わりに、背中にカイロを貼ってあたたかくした。タイトルは中学の頃に歌った合唱曲で、最近月が大きいなぁと考えていたらふと思い出した。

言葉

ちょっとしたメールで酷く落ち込んだ。人の言葉で傷付いたのは久しぶりだった。切り替えがなかなかできないわたしはしばらくの間落ち込むだろうけど、どこかでは、いつかの昔にわたしが誰かにしてしまったことが返ってきたんじゃないかと思っている。悲しい…

うみ

わたしのアラーム音は憂鬱な朝の音だけど、卓さんのは優しいピアノの音楽が流れる。何か映画の曲だった気がするけど、はっきり目が覚めるころにはもう止まっていて、いつも聞きそびれる。あの曲が流れると、起きたくない朝もなぜかほっとする。今夜は風が強…

知らないこと

家中の窓を開けて、だらだらと家事を済ませて、ボサボサの髪もそのままで、ちょっとだけギターを弾いた。飽きたら温泉に行って、帰ってきたらまた練習しよう。君は知らない という曲がとても素敵で、宝物みたいな秘密もあるんだなぁと思った。

夜道とチョコレート

発表会が終わって一息ついて、先輩や同期と居酒屋に行った。帰り道、同期とふたり、川沿いに集まるアヒルの鳴き声や通り過ぎる車にびくびくしながら夜道を歩いた。近況を報告し合うとき、辛かったことも嬉しかったことも、どちらも話せてどちらも聴いて、自…

秋雨

砂を噛むような毎日からちょっと楽になって、気が抜けたのか昨夜は早い時間からこんこんと眠った。夕方から髪を切ってさっぱりして、喫茶店に入ったらお腹がすいていることに気がついた。ハンバーグを黙々と食べていたら、斜め前に座っていた奥様ふたりが社…

もうすぐやっと日付が変わる。時間が経つのをじっと待ってる。お父さんが届けてくれたぴかぴかの新米を食べた。どうしようもない映画をみて、途方に暮れた。

カチ

他のひとよりも、悲しんだり落ち込んだりする時間が、あきらかに長い気がしている。時間がもったいないので、タイマーをかけることにした。今夜は大好きなひとと、テニスコーツのライブを見に行く。悲しい気持ちの残りと嬉しいのとで泣いてる。タイマーの時…

眠るだけ

この間、夜中に洗面所の床で目が覚めた。硬くて冷たくて、それでも眠気が勝った。仕事で失敗して久しぶりに落ち込んだ。誰にも話せなくて、あついサウナにでも入ってすっきりしようと決めた。

ブルーライト

携帯の光のことらしい。みたら、眠れなくなるって誰かが言ってた。〜らしい、とかばかりで、本当のことは何も知らないような気がしてくる。雨が降り出したかと思ったら、シャワーから水が飛び出した音だった。

どうしようもない夢ばかりみて、悲しい気持ちで目が覚めた。まだ24時も回ってなくて、夜は長い。煙の匂いがして苦しい。

稲穂

長く風邪をひきっぱなしで、健康な状態が恋しい。いまのお仕事が一区切りしたら、立て直せると良いなぁ子ども達を送るバスの窓からみた田んぼの、稲刈りがもう住んでいた。お父さんは今年も美味しいお米をたくさん作って、にこにこしながら持ってきてくれる…

秋こそお風呂

湯船にじっくり浸かったら、身体があたたまってもう眠い。夜風に吹かれながら寝ていた卓さんにもお風呂をすすめたけど、むり〜〜っていってた。むりかぁ〜〜 ってなった

かぞく

実家の愛犬が、死んでしまったとの連絡がきた。お母さんのことが大好きだったタロウを思い出して、お母さんに電話できなかった。もう泣きたくないってくらい泣いて、また会えるようにたくさん願った。生きている限り、死を見続けないといけないのだと思うと…

生活

だいたいみんな心の杖があって、それは人だったり物だったり、いろいろで、ひとつだけだったりたくさんあったりする。それがあるから頑張れるし、失敗しても大丈夫と思える。眼鏡を外したら景色がぼやけて気が抜ける。

キッチン

とうまくんが「あの、カツ丼を届けに行くところが、良いよね〜〜」と言った。本当に良いよね、って思ったし、友達って良いなぁとも思った。パスタを食べながら、浴衣を着て泊まる温泉宿とか、熱々のカツ丼を思い浮かべていた。

秋雨

給食の時間に、わたしが食べ終わるまでずっと、膝の上でニコニコ座って待ってくれる子がいて、その時間がとても幸せだ。残しがちな白ご飯を指差して「ごわん!ごわん!」と教えてくれる。わたしが笑えばその子も笑うし、たまに頭を撫でてくれたりもする。秋…

秋の夜長

寝る前に「瞑想します。」と言って目をつぶった卓さんは、10回くらいくしゃみをした。瞑想中はくしゃみが出やすいのかな。秋がきたので秋刀魚を食べたい。スイカがなくなるのはちょっとさみしいなぁ。