溶ける


いつかの夜、真っ暗なところにどんどん引っ張られて、身体中から力が抜けていくとき、ゆっくりと自分が溶けて、布団や床に染みていくような感覚になったことがあった。

それ以来、自分の頭のなかで考えごとをするときに、「眠る」を「溶ける」っていうようになった。

きょうは溶ける日で、何をするときも、その感覚ばかり思い出して、一日中眠りこけていた。